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消される私、扉を開ける

消される私を守ること。
昨年、第2回群山ブックフェアで出会った作家さんの本だ。
多くの魅力的な本の中で、一番最初に購入を決めた本だった。
消される私を守ること。
会社生活、友人、家族の中で笑って騒いで幸せな時間もあるが、妙に自分自身が消えていくような時間もよくあった気がする。
特に会社生活。
保守的な朝鮮時代の文化では、年齢の若い末っ子年次や女性は、自分の考え、声を出すだけでも極度の非難の対象になったり、無視されたりしがちだ。
今まで会った数多くの꼰대(コンドゥ:年寄り特有の考え方をする人)や先輩たちの姿が走馬灯のように過ぎる。
もう私も先輩の立場になり、過去に私が我慢したことを後輩たちがあまりにも簡単に我慢しなかったり、めちゃくちゃに振る舞うのを見て、舌打ちしたり眉をひそめたりする時は、過去の先輩たちが気の毒に思える時もあるが、점점점(チョムチョムチョム:…)。
正常性と能力主義が蔓延する韓国社会で、存在すること自体がすでに素晴らしいと、十分だと自らを思い、敗北感を感じずに自分の人生を肯定して生きることがどれほど難しいことか、この本は語る。
世の中が注入式教育で数年間ガスライティングした正常性から抜け出し、それでも人類愛を失わずに愛し、愛されたい作家の短い一代記が率直に込められている。
人間は群れをなして社会の中で共に生きていかなければならない存在だ。
それと同時に存在だけでもすでに完全だが、群れ、つまり社会が定めた正常性から少しでも外れたり、競争で淘汰された者たちを皆、大きくても小さくても無価値に思い、私もそうならないように必死にもがき、不安の中で皆が生きているようだ。
幸せな人はいるのだろうか。
一生懸命努力してハードルを越え、正常な社会に属そうとして、結局組織外の労働者になった作家さんの話が、今はあまりにも普遍化されたようで、平凡になってしまったこの頃。
私にもそんな勇気がまだあるのかと自問自答する。
最後に作家は、見事に現在の自分の人生を自慢したりはしないが、扉を閉めなければ見えない扉について語る。
誰も後悔のない選択を予測することはできない。
恐怖と立ち向かっている全ての人にこの本を推薦する。
世の中に自慢できる成果がなくても、私が依然として価値のある存在だということを心から感じよう。
抜粋した内容は次のとおりだ。
「ただ敏感な体で生きていると、当然だと言うことが果たして誰が決めた基準なのか、よく疑問に思うだけだ。
本当に暴言を聞きながらも会社に通う人が多いのに、一人で끙끙(クングン:うじうじ)앓는(アルヌン:病む) 주제에(チュジェエ:くせに) 엄살(オムサル:大げさ)이라고(イラゴ:だと) 말할지도(マルハルチド:言うかもしれない)。
正常性と距離のある私の姿を隠し、平凡な社会人に見えるように努力した身振り。
백수(ペクス:無職)였을(ヨッスル:だった) 때의(ッテエ:時の) 내가(ネガ:私が) 사회에서(サフェエソ:社会で) 이친(イチン:失った) 사람이었다면(サラミオッタミョン:人だったなら) 회사에서는(フェサエソヌン:会社では) 나(ナ:私) 자신을(チャシヌル:自身を) 스스로(ススロ:自ら) 지우는(チウヌン:消す) 데(デ:ことに) 열심히(ヨルシミ:熱心に) 동조하고(トンジョハゴ:同調していた)。
試験を通過して줄(チュル:列) 세우기를(セウギルル:並び) 당해야(タンヘヤ:されなければ) 하는(ハヌン:する) 경쟁(キョンジェン:競争) 속에서(ソゲソ:の中で) 무능하다는(ムヌンハダヌン:無能だという) 말은(マルン:言葉は) 곧(コッ:すぐに) 존재가(チョンジェガ:存在が) 무가치하다는(ムガチハダヌン:無価値だという) 것과(コットゥァ:ことと) 다르지(タルジ:違わない) 않았다(アナッタ:かった)。
그(ク:その) 못난(モンナン:みっともない) 모습으로부터(モスブエロブト:姿から) 도망쳐서(トマンチョソ:逃げて) 엎어진(オポジン:ひっくり返った) 곳을(コスル:場所を) 내가(ネガ:私が) 선택이라는(ソンテギラヌン:選択という) 말로(マルロ:言葉で) 애써(エスソ:無理に) 포장하는(ポジャンハヌン:包装する) 건(ゴン:ことは) 아닐까(アニルカ:ないだろうか)?
扉を閉めなければ見えないもう一つの扉。
そしてつまずくことになる数多くの石ころと、またつまずいた場所でしか見えない思いがけない美しい花に出会うことを選択したのだから、むしろ祝福したい。
しかし、取り返しのつかない決定をしてこそ、初めて目に見える現実と選択肢があるものだ。
会社に留まっている以上、給料のない切迫感は知らないだろう。」

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